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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






ゲンとルリから受け取った2つの木箱を大事そうに診療所に置き、スティックチャームのピンクダイヤモンドと鍵をベルトに付け、取れないように、と細工を終えたころ、何故か縛り上げられた千空担いだマグマが帰ってきた。


ゲンは呆れながらも種明かしをする訳にはいかないのか、その姿をみてもヘラヘラした笑顔を貼り付けるだけだし、周りの人たちもなにも言えないのか、スルーした。


2人の帰還からものすごく時間がたったあとに木の棒をつきながらクロムも帰ってきて、はじめようか、とゲンの合図により、千空とみんなは天文台へと押し込む。


千空はなにやら勘違いしたのか、いつも通りの笑みをしているが、何処か悲しそうにくくっと、笑っている。


「てめぇらもようやく気が付きやがったか?俺の首と科学を司に差し出しゃ、村は安泰っつう合理的な裏技によぉ。」


千空から出た発言にゲンは、何言っちゃってるのよ、と呆れたようにため息をつくと、コハクが目隠しを外す。


すると、千空の目の前には満点の星空が映し出された。


「天体…望遠鏡……。いや、天文台…?」


そういって、ガラスから星空を覗き込む千空。
そこへ、お誕生日おめでとう、とコハクとスイカが伝えると、窓から外をみた。


(イシガミ村の、みんな…)


その震えは懐かしさからか、それとも、嬉しさからか。


固まっている千空の背後にゲンが声をかけた。


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