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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






「ピンポーン。100億点。いやぁ、ここ数日間千空ちゃんのドイヒー鉱石解説が続いたでしょ?それでね、思いついたんだよね。マラカイト、別名"孔雀石"。石言葉は、"癒し"と"魔除け"。医学で人を癒すルーチェちゃんと、陽を取り戻そうとがんばるルーチェちゃん、どっちのルーチェちゃんにもぴったりじゃない?」


まるで子どもを見守るような優しい目つきでルーチェのことを見るゲン。
ルーチェも表情が乏しいがその瞳には嬉しさが込み上げられていた。


「これ以上、ネックレスを重ねると首が重くて折れる。」


「ふふ、そう言うと思ってね。鍵とピンクダイヤモンドのネックレスを付けれるような革ベルトを作ったんだよ。ほら、腰にけた方がより魔導士っぽいし、おしゃれだな、とおもってさ。」


つけてあげるよ、といって革ベルトを手にしてルーチェの腰に手を回す。しばらくガチャガチャと装着すると、コート越しだとピッタリだったのか、ぴっちりしまった。


「あらま、ピッタリ。まぁ好きにつかってよ。すぐ壊されると困るけどさ。」


ルーチェはぎくり、と背筋に冷や汗をながす。
なぜなら、マラカイトをこっそりエレメント石にでも、と考えていたからだ。


それを誤魔化すかのように、精一杯の笑顔を貼り付ける。


「…ありがとう。なるべく、大事にする。」


そういうと、みんなしてルーチェに近寄り、それぞれ会話を交わすのだった。


「さ、みんな、もう1人の主役がもうすぐ帰ってくるよ。みんな準備してねー!」


そういうと村民たちは、最後の仕上げだー!と張り切るのだった。


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