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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






ルーチェが調べ物をしている間にいつのまにか、天体望遠鏡作成プロジェクトは天文台作成プロジェクトに変更されていたことに驚く以外はとくに問題なく、作業は順当に進んでいった。


ルーチェもさすがに縮尺の調節魔導を普通の人でも使えるようにと組み込むのは難しかったのか、書物を片手になんとか、調節ができる魔導を組み込めた。


そんなこんなで天文台が完成したのは、ゲンが提案してから3日目のお昼すぎのことだった。


村民たちは、できた天文台を見て感動するもの、すげぇ、と驚く者、千空の顔が楽しみだ、という者、それぞれだった。


それはルーチェも同じで、千空が喜んでくれればいいな、と心の中で思っていた。


この時、彼女は油断していて、後ろから近づく気配にきづかなかった。


「!?なに?いきなり目の前が真っ暗!どうしたの?」


「みんな、いまのうちにあれもってきて!」


そう、唐突にルーチェは何者かによって視界を塞がれた。
そして真後ろからは聞きなれた声が響く。


「離して、ゲン!いきなりなにをするの!!どうして…」


ルーチェはいきなりの行動に、そしてゲンを止めようとする音が聞こえないことに、なんで、と戸惑い、必死に引き離そうとする。
だが、それはゲンにとっては蚊に刺されたようなものなのか、全く効果が現れなかった。


しばらくすると、ガサゴソ、という音がしたかと思ったらすぐに病んだ。


「ルーチェちゃん、ごめんね、もう開けていいよ。」


そう優しく囁かれると同時に、視界が解放された。


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