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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






「わかった。ありがとう。あと他にも数点読みたいものがあるの。4時間後に声をかけてくれる?」


「ワカリマシタ。ゴアンナイいたします。」


LINNの答えを聞いたあと、何冊か魔導の特徴を上げると、LINNとともに図書館内を移動した。



「ルーチェ、ゴシテイのジカンです。」


「…わかった。今日はこのぐらいで。またくるね。」


ルーチェはLINNに挨拶を交わすと、先程書物で読んだワープ呪文を唱える。


図書館内はとくに問題なく魔導が使えるのか、数時間前に来たエントランスへと到着し、科学王国の拠点の近くの森へ、と念じながら扉をあけると、目の前には念じた場所の景色がひろがった。


ルーチェが書物を手にして科学王国に戻ったのは、夕陽が沈む少し前だった。


作業が一段落したのか、拠点の方には当初の5人がちょうどご飯の準備をしていたところだった。


ルーチェが、ゆっくり近づくと気配にきづいたゲンが手をヒラヒラさせてこっちこっち、と手招いていた。


「ルーチェちゃん、おっかぁ。なにか手がかりみつけた、っぽいね。」


「うん、幸いにも一部を除いて図書館の本は持ち出し可能らしい。」


そういうと、ゲンはそれ、大丈夫なの?と聞くが、コハクたちは、そもそも本ってなに?というレベルだったので、問題なし、と判断を下す。


が、万が一、ということもあるため、ゲンに中身をパラパラと確認してもらうと、読めなかったのか、悪用はできない、と結論づけ、肉の干物を頬張るのであった。

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