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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






「トウロク、カンリョウしました。ワタシはLINN-リン-です。ゴシテイのホンダナにゴアンナイいたします。」


そういうと、LINN、と名乗った妖精はエレベーターの元へといく。
ルーチェは状況はなんとなくわかったのか、はたまた案内係とは便利だな、と思ったのか、あえて妖精にふれずに、その後を追った。




「つきました。ココにゴシテイのホンがアリマス。」


エレベーターに乗り、2階ぐらいのぼって、右に曲がり、といった複雑な道筋を通った先にそれはあった。


ルーチェは、ありがとう、とお礼を述べて本のページをパラパラとめくる。


その間、妖精はきえることも、話しかけることもせず、ただルーチェの肩にとまっていた。


しばらくペラりぺらり、とルーチェが本をめくる音が響いた。


「LINN、ここの本は持ち出し可能?」


何十分か、或いは何時間か経過しただろうか。
本1冊を読み終えたルーチェは、肩にとまっていた妖精に話しかける。


「キンショのタナにあるホンでなければ、モチダシカノウです。
ただし、ホンのトリアツカイにはキヲツケテください。」


「そ、わかった。この本、借りるね。」


「ワカリマシタ。では、カシダシとうろくをジッコウシマス。」


そういうと、ルーチェの手にしてた本目掛けてLINNの目から白い光が放たれるが、それも数秒すると消えた。


「カシダシトウロク、カンリョウしました。ヘンキャクジもトウロクがヒツヨウです。」


「ありがとう。ところで、この"鍵"なんだけど、どこからでもこの扉を出現させれる?」


「ハイ、ルーチェはトウロクされてますので、ウタをロウドクすれば、トビラはデマス。」



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