第2章 Z=2 来訪者A
スイカが何かをぶん回して犬がそれを追っかけてる。
なんか見覚えあるなぁ、と思い話しかける。
「スイカ、テメーのそれなんだ?」
スイカは一瞬キョトンとして千空の方をみる。
その後、よしよしーと犬の頭をなではじめた。
「これはね、友達のチョークが大好きなおもちゃ、犬じゃらしだよ!」
「猫じゃらしな!」
犬じゃらし、の部分強めに言ったスイカに対し、冷静に突っ込む千空。
ルーチェも隣で、うんうん、と頷く。
千空はふっとわらい、それがあれば作れるかもなぁ、とニヤッとする。
みんなは、今度は何を言い出すんだ?と気になりながらも何かピンと来ておらず、キョトンとする。
千空はみんなの反応お構い無しに言葉を続ける。
「俺ら旧世界の人間なら、みんな大好きな世界一美味い料理がよぉ。」
ルーチェは飲んでたお水を吹きこぼす。
その音にみんなの視線は千空からルーチェに写った。
「ん?どうした?ルーチェ。喉でも詰まらせたか?」
「ゲホッ、ゲホッ、なんでもない。」
大丈夫、といい、ながらも数回咳き込む。
ゆっくり息を吸ったり吐いたり、して落ち着きを取り戻したルーチェは一言ごめん、と謝る。
「千空、なに、つくる。」
呼吸は落ち着いたが、先程むせた時に涙もでてきたのか、若干潤んだ瞳で千空の方を睨む。
そんなルーチェをみてか、クロムは若干顔を赤くするも、千空は何も響かないのか、いつものテンションで答える。
「なにって、そりゃ、出来てからのオタノシミだ。」
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