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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






天体望遠鏡、というものを知らない村民側はなんだそれ、と聞き返し、カセキは何故か興奮していた。


そして、ルーチェはというと、いつもの如く、固まっていた。


「天体望遠鏡?なんなの?それ。」


「きいたことがないんだよ。」


「おっほー。科学のアイテムかの?」


「まぁルーチェが固まっているということは、そういうことなんだろう。」


ゲンは固まって白くなっているルーチェの方をみてあちゃーと呟く。
そして、ルーチェの肩を少し揺らした。


しばらく揺らすと、ルーチェの意識が戻り、おっはー、と声をかけるゲンを突き飛ばす。力加減はしてたのか、ゲンは軽くよろめく程度で、そんなには吹き飛ばなかった。


「いったぁい。もう突き飛ばさなくてもいいじゃない。」


「仕組み、分かってていってる?」


「まぁ、うろ覚えだけどね。けど、仕組みはわかるよ。それにね、ここまで頑張ってくれてる千空ちゃんになにかしてあげたいじゃない?」


にこやかに言い放つゲンに、ルーチェはそろそろ無茶振りを言わない現代人の復活させなければ、と頭を抱えた。


「…できることは、土木作業ぐらい。」


「だねぇ、と言いたいところだけど、ルーチェちゃん、物作り系の魔法、学ぼうと思えば学べるんじゃない?その"鍵"で。」


ゲンはルーチェの胸元を指さしながら、今までできなかったクラフト系の魔導についても使えるのでは?と提案すると、ルーチェは今度こそ頭に血が登ったのか、青筋をたてた。


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