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幻想科学物語

第11章 Z=10 それぞれの贈り物






洞窟探検隊が旅立ち、しばらく不安そうに見守っていた村民たちだったが、新年ということや、外が寒い事など、背中が見えなくなってしばらくするとそれぞれ家にはいっていった。


だが、コハクたち科学王国民はやはり心配なのかその場に立ち尽くしていた。


そこへゲンが千空みたいなゲスくニヤついた顔で話しかける。


「やぁっといなくなってくれたねぇ、イシガミ村から千空ちゃんが。さぁ。」


「ゲン、急にどうしたんだよ。」


スイカがそう尋ねると、すぐにいつものヘラヘラした、それでいて何処か楽しそうな笑顔で口を開く。


「みんなぁ、ちょっと聞いてよ。素敵な話があるんだよ。」


「?それなら勿体ぶらずに話せばよかろう。」


「そう?じゃぁ、お言葉に甘えてぇ。実はね、三日後は千空ちゃんの誕生日なの。」


ゲンの唐突な言葉にみんなは誕生日?と聞きかえす。
いや、それがなにかはわかっているのだが、なぜそれがゲンにわかったのか、イマイチ掴めず。


「ゲン、それは、事実?」


「さっき計算したんだけどね。多分あってるよ。そこで、ここまで村のために色々発明してきた千空ちゃんに恩返ししよー、ってことなんだけど。」


「ほう、つまり、千空の生誕の日に誕生日プレゼントをあげよう、ってことか。ゲン、君のことを少し見直したぞ!」


「あ、ありがとう、コハクちゃん。でねぇ、そのプレゼントなんだけど、天体望遠鏡をプレゼントしよう、とおもってねぇ。」


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