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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






周りは千空と、クロムと、マグマ、という3人のトリオにざわめく。


特にクロムとマグマは御前試合での因縁もあり、無事に帰ってくる保証はどこにも無かった。


見かねたルーチェとコハクが代わりについていくと言うも、ルーチェは医療班、コハクはパワーが足りない、という理由で却下された。


千空の却下に2人ともッチと舌打ちして、マグマの方をチラッと睨む。マグマはマグマでなにかで葛藤しているようで返事がなくただたっていた。


そこへ、ゲンがこそこそと何かを話し込んでいる。
それを見たコハクは止めに入ろうとするが、ルーチェがとめた。


「ルーチェ、なぜ、止めるんだ。あの二人が何かを企んでいることは明白だろう。」


「ゲンはただ、3日後の夜までに千空を連れ帰れ、と指示しているだけ。」


「な、きこえたのか?」


ルーチェは、風魔導をこっそりつかって、風の元素に話の内容を聞いた、と耳打ちをする。
コハクもあわせて小声で、魔導もすごいな、とルーチェに返した。


「…千空、おら早くいくぞ。時間ねぇんだろ?」


ふたりが耳打ちをしている間に、マグマは準備を整えたらしい。
千空にそういうと、千空も、あぁ、そうだな、と言った。


「洞窟案内はクロムに任せる。2人は先に行ってろ。俺はルーチェに少し話しがある。」


そういうと今度は千空がルーチェに耳打ちした。


「数日後には戻るが、万が一ということがある。7日、戻らなかったら、俺たちの足跡を辿って捜索しろ。できるなら、頷いてくれ。」


ルーチェは黙って頷いた。それを確認した千空は、ルーチェの肩にポンと手を置き、あとは任せた、とかつてルーチェが渡した"お守り"をつけた方の手をヒラヒラさせて、クロムたちの後をおった



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