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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






千空はタングステンをみつけたとき同様にゆっくりとルーチェの元へとあるいていき、肩を掴む。


「なぁ、ルーチェ。魔導で、ケータイ代わりのものがつかえる、のか?」


「…魔導士同士ならお互いの魔導力を交えることでテレパシス、つまり脳内会話はできる。けど、魔導士以外はできない。私も母様もスマホつかってた。」


ルーチェの言葉にほっと胸を撫で下ろす2人。
と、同時にもう1つ疑問に思ったのか、ルーチェの肩をつかみながら今度はゲンに質問する。


「そうなると、だ。ゲン、ホムラってのはどういうタイプの人間だ?」


「うーん、そうだねぇ。ホムラちゃんは誰かさんの命令しかきかない。つまり、あれだね。その石をつかってホムラちゃんに脱獄の指示を出した。つまり、これは逆に見張られていたパターンかもね。」


「ほーん。スパイとして大人しく牢に捕まっていたっつうことか。律儀なことで。痛っ!」


千空とゲンが話し込み、自分のことを忘れているであろう千空の腕に力を込めて掴むと、痛いと叫ぶ千空。
ルーチェはすぐに手をはなし、少し怒ったような表情を浮かべた。


「肩、痛かった。」


「あ、悪ぃっ。柄にもなく興奮したわ。」


そういうと、千空はルーチェの方から手を離した。
ルーチェの方も手首を強く握ってしまったのか、大丈夫?と心配そうに声をかけると、問題ねぇよ、という答えが返ってきた。


そして、みんなが見守る中、断片を耳に近づけてみた。


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