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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






ルーチェたちクラフトチームとコハクたちバトルチームが捕虜を隔離していた場所に向かうと、そこは時すでにもぬけの殻となっていた。


バトルチームとルーチェは悔しそうな表情を浮かべるが、千空とゲンはむしろこれまで脱走しなかったな、と感心すら抱いていた。


「あぁ、竹で簡易的につくった牢だかんなぁ。縄抜けとかのやり方しってんなら、簡単に脱走するだろうよ。ただ、今脱走したのが不思議に思えるがな。」


「確かにねぇ。もっとホムラちゃん、身体能力はゴイスーだから。
警備が手薄になる、というより、バトルチームがいない隙をねらったんだねぇ。」


ルーチェは、何か、ヒントになるものはないか、と鑑定魔導で周辺をみていく。
すると、微かにだけど宵闇の力を感じとれたのか、傍に落ちてた小石の破片をひろう。


「ルーチェ、なにかみつけたか?」


「この破片から、宵闇の魔導の力を感じる。まだ使ってからそんなに立ってない。」


「そうか。その、破片みてぇなもんからどんな力なのか、特定できるか?」


千空が質問をすると、ダメ元で鑑定魔導を試してみる。
すると結果が表示されたことに驚いたのか、目を丸くし、まじまじと破片を見つめる。


「おそらく、音の魔導。録音だった。」


「ろ、録音…だと!?」


その場にいる全員は驚いて動きを止めるが、すぐに、録音?といつものクエスチョンマークをつける村民たちであった。


一方の千空とゲンは口を大きくあけ、呆けたようにかたまっていた。


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