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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






ルーチェがすとん、と無事にイシガミ村へ降り立つ。
そしてなんともないことを確認したら、千空を先頭とし、次々と村へおりたった。


みんなが無事図書館から出れたことを確認し、ルーチェが扉の前に立つとパタン、と自然に閉じられ、扉はきえた。
そして、扉はやがて元の鍵チャームなり、ルーチェの手の中に収まった。


「本当に、もどっちゃったね。」


「うん、でも、この鍵があればまた…」


ルーチェとゲンは不思議そうに鍵のチャームを見つめていると、千空がくくっとわらった。


「あぁ、まじまじと鍵みてんじゃてぇぞ。無事村に帰ってこれたんだ。クロム、洞窟探検の準備をしろ。他のもんは食料の確保だ。わかったな?」


千空がそう言うと、パタパタと足音を立てて駆け出した。
その騒がしさに村に残ってた村民や子供らが起きてきたのか、新年の挨拶と朝の挨拶を交わす。


その急いでいるところに、一人の男が大変だーーー!と叫んでこちらに走ってきた。


「あれは、たしか、ホムラの見張りの…」


コハクがそう呟いているうちに、その見張りを務めていた男がゼェハァゼェハァと呼吸を荒くしながら千空の前に立つ。


「…どうした。ホムラに関わることか?ゆっくりでいい、呼吸を落ち着かせろ。」


男は言われた通りに、ひざにてをついて、呼吸を整える。
しばらく、して落ち着いたのか、千空の方を真っ直ぐとみて続きをいった。


「ほ…捕虜が……脱走した。」


真っ先にルーチェが飛び出し、捕虜を隔離していた場所へとむかう。
千空とゲン、コハクたちも後に続き、かけだした。



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