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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






「おや、これは失敬。だが時間が無いのでね。私の事はルゥルゥから聞くといいよ。」


「くふふ、ゲン、てめぇルーチェの話聞いてなかったんか?ルーチェははっきりと、キール先生、といってたぜ。大方、こいつがルーチェのお師匠サマなんだろう。死んだってきいてたがなぁ。」


千空がクスリとノドを鳴らしながらいうと、キールの視線は一点に集中した。すると千空もそれを感じ取ったのか、ただ不敵に笑うだけだった


そのほほ笑みをみると、今度はルーチェの方に視線をやる。


「ルゥルゥ、君はこの地球人たちを信じて話したんだね。ルゥルゥが信じたのなら私から言うことはなにもない。」


そういってゲンや千空、そして村民たちに対してルーチェに向けたような優しい目付きで一人一人視線をおくるキール。
みんなは急に雰囲気が和らいだことで、少し戸惑いを感じた。


「ルゥルゥのことをよろしく頼むよ。わたしはもう時間だ。」


「あぁ、そうみてぇだな。てめぇの体、半分消えかかってやがる。安心しろお師匠サマ。ルーチェいねぇと、この先の科学もどん詰まりそうだしなぁ。ここが魔導士の図書館っつうなら、その力をおありがたーく利用して科学に変換してやるよ。」


「面白いことをいうね。君とは、生きているうちに会ってみたかったよ。あまり悪用はしないでくれよ?ただでさえ、我々は迫害の歴史を背負っているんだから。」


「くくっ、だなぁ。」


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