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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






「ルゥルゥ、君はまだ、基礎の部分に触れたに過ぎない。ここにはざまざまな知識が込められている。時間の許す限り、学ぶといい。
けど、過去の叡智にばかり捕らわれてはいけないよ。いづれは君が叡智を塗り替えなければいけない。わかったね。」


「はい、キール先生。」


ルーチェが元気よく返事をして見上げると、キールが満足そうな表情を浮かべてにこやかに優しい目付きでルーチェを見つめていた。


が、なにか思うことがあったのだろう。その視線はルーチェの後ろ、つまり千空たちに移され、ルーチェに向けられた笑顔はどこへやら、細い目を開き、村民たちを捉えていた。


「君たちがルゥルゥの仲間かね?」


「あぁ、掟ぶち破ってもらって、人類を救うために魔導士として、医者として協力してもらってる。ルーチェの力がなきゃ、詰んでた場面いっぱいあったかんなぁ。お陰でたすかったわ。」


キールの問いに千空は、あっけらかん、と答えた。
キールは掟を破ったルーチェを咎めることなどせず、少し視線を送っただけで、また千空たちに視線を戻した。


「ほう?それでは、魔導を、ルゥルゥをどうみるかね。」


キールは大事な問いを投げかける。


少し考えた後、千空が口を開こうとしたが、ゲンが静止して、ルーチェの隣に立った。いつもの胡散臭い笑顔はどこへやら、ゲンはいつも以上に真剣な顔付きだった。


「どうもこうもないよ。ルーチェちゃんは俺らの大事な仲間。それ以上の回答がある?それにね、さっきから気になっていたんだけど、なんでシーラちゃんしかしらない呼び方をしってるの?」


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