第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽
ルーチェは華麗に真っ赤な絨毯に着地し、千空たちは、ごふっと鈍い音をたてて地面に衝突するも、絨毯のおかげかそれほど衝撃はすくなかった。
みんながいててて、といいながら、顔を上げると、そこは先程までいた朝日が見える山ではなく、円形に作られたエントランスみたいなところの中心にいるようだった。
「ん?我々は先程まで外にいたはずでは…」
「すごいですね。こんな建物?みたことないです。」
「めっぽう不思議な作りだな。筒状につくられているのか?にしても、天井がものすごく高いな。」
村民たちは室内を見回してはすげぇと驚くもの、訝しげに見つめるもの、様々だった。
一方の現代組は一体何が起きたのかを真剣に考えるも、やはり思いつかなかった。
「ルーチェ、てめぇ、これはどういうこと…」
そういいながら千空はただ立ち尽くしているだけのルーチェの肩を叩こうとしたが、爆風みたいなものを受けて千空の体は吹き飛んだ。
千空!とみんなして叫び、千空の元へと駆け寄るが、あぁ、大した事ねぇよ、と軽口を叩き安心させた。
村民は、一応千空を見て欲しい、と頼み込むためにルーチェの方をむくが、静かになる。
ルーチェの目の前いつの間にか神父風の黒い衣装をまとった黒髪の男がたっており、村民たちに、険しい視線を送る。
「ここは叡智の図書館だよ。ルゥルゥの身を案じてくれるのは嬉しいが、少し静かにしてもらいたいね。」
「ル、ルゥルゥ?」
聞きなれない名前に皆が驚いて復唱する。
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