• テキストサイズ

幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






千空とルーチェが知恵を絞り出して、何度も試したが、その結果が科学王国の地面に散らばるガラスがものがったている。


このままでは危ない、と判断したルーチェは、風魔導をつかい、ガラスを1箇所にまとめると、魔導陣の改造の着手に取り組んだ。


千空もどうやらお手上げの様子で、めずらしく天を仰ぎ、くそ、と悔しそうに呟く。


そんな2人を見ていられなかったのか、はたまた様子を見見に来たのか村人たちがあつまって、クロムの倉庫内の在庫を改めて見てみよう、という話になった。


ルーチェも魔導陣の改造も一時中断し、鑑定魔導をつかって探す。
が、どれもめぼしいと思われる鉱石はなく、その日の夜は解散となった。


ゲンは、これ以上は体に毒だから、と地面と机に齧り付く2人をコハクをつかってむりやり引き剥がし、それぞれの寝所へと押し込んだ。


ルーチェは魔導で初めて役に立てなかったことを悔しく思い、無意識にぎゅっと"鍵"を握りしめる。


「そういえばココ最近、"祈り"を捧げてなかったな。あ、そういえば明日、というか今日は新年か。」


そう呟くと、どうせ寝れないのだし、と布団からのそのそと出て外套の前に立つ。


ルーチェは魔導で何とかできるから、と断ったが、ご隠居と子供たちからもらって!とみんなからプレゼントされた藍色の外套。
もらってから日が浅いのだが、いかんせん、医者として村民を見たり、科学の実験などで、所々、汚れが目立つ。


ルーチェはぽんぽんと汚れを払うと大事そうに着込んだ。


.


/ 363ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp