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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






暫くして陣を描き終えたルーチェはそれぞれ、フィラメントとガラスを分解した状態で置いてみた。


その後、診療所から取ってきたメスで指を入れプツリと切り、魔法陣に血を垂らすと、魔導陣が光だし、陣の上の物体を包んだ。


それらは一瞬の出来事であり、光は直ぐに消えた。
千空に、もうさわってもいいよ、と伝えると、おずおずと近寄り、球体、フィラメントを組み立てていく。


そして、再度試してみるも、熱の膨張に耐えきれなかったのか、ガラスはヒビわれするわ、フィラメントは燃え尽きるわ、と散々な結果になった。


「くつ、こりゃあれだ。鉱石とかカタチとか変えてみてためさねぇとだめみてぇだな。」


「おっほー!わしら相変わらずギリギリのトライアンドエラーじゃのう。」


「それしかねぇよ。地道に1歩ずつ、進んでいく。それが科学だからなぁ。」


そう言い切ると、今度は大量のフィラメント&ガラス球体を先につくってしまおうということになり、一行はまず色々な形や、膨張を塞ぐためのコードなどを作成。それがおわると、実験に勤しんだ。


ときおり村からの要請でルーチェは抜けてしまうが、処置を手早く終わらせてすぐに戻り、あの魔導を試してみよう、この形ならこれぐらいの強度にしてみよう、などと設計図を詰めていく。


そんなこんなしているうちに数日がたち、クロムも銅を片手にもどってきた。そして、銅を使った実験を手始めに行うも、見事に失敗し、これ以上はなんとかならないのか、と千空とルーチェは頭を悩ませた。


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