第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽
「まぁ銅とかもりもり欲しいけどなぁ。次の鬼レベル工作でどんだけ浪費してもおかしくねぇ。」
「おぉ!それだぁ、それ!まかせろぉおおー!」
クロムはそう叫ぶと、洞窟へと一気に走り出す。
その他の科学王国民はその様子を見守り、千空は来週の年越しまでには戻れよー!と叫んでいった。
「んで、鬼レベル工作って何?クロムが戻るまでに完成させてビックリさせちゃいたいのう。」
「電球のレベルアップ版だな。鬼レベルだが、職人カセキサマと魔導士ルーチェサマがいりゃなんとかなんだろ。」
千空がそう告げると、カセキは少し興奮気味にワクワクすっぞ、と張り切る。
一方の現代組、特にルーチェ、はまた何作らされるのやらと額に冷や汗を浮かべる。
「な、なんか、ゴイスー魔導てんこ盛りだけど…,ルーチェちゃん、そんなバシバシ使って大丈夫なの?」
「魔力量てきな物のことなら、まぁ寝ないで1週間はキープできる。
倫理的なことを言ってるなら、アウト。」
だよねぇ、と呟くとゲンとルーチェはため息をつく。
そんな2人に対して、せっせと準備を進めながら千空はおい、と声をかけた。
「突っ立ってねぇで、キビキビ動け。この工作にどれくらい時間取られるかわかんねぇだ。さっさとやるぞ。」
「いやぁ、それはそうなんだけどね。千空ちゃん、何作るの?」
ゲンが不思議そうに尋ねると、千空は大真面目な表情でゲンとルーチェの方をむく。
「コンピューターの卵をつくる。電子のギア、真空管だ。」
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