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幻想科学物語

第10章 Z=9 科学の光と叡智の陽






感動的なクリスマスの翌日、クロムがなにかを思いついた!と叫び、いつもの科学王国民を集めた。


みんながなんだなんだ?と集まると、いつもの如くなにかを閃いたのか、ドヤ顔で勿体つける。


「だぁもう、クロム、言いたいことがあるならいいやがれ。じかんねぇんだわ。」


「ふっふっふ、昨日の電球で思いついてよぉ。松明の光じゃ行けなかった洞窟の奥深くまでよぉ。」


「あぁ、バッテリーと電球、もしくはルーチェの魔導があればその100億倍はあされるなぁ。」


「ほーん、洞窟の奥とかおもしれぇ石だらけにきまってんじゃねぇか。おぅ、いくぜ、科学発掘隊!やべぇ鉱石素材を、とりによぉ!」


クロムは張り切って外套を着込み、採掘のためのカゴやカバン類、電球をつけて行く気満々の装備で、洞窟探検だと俺の方が上手だぜ、とドヤ顔をする。


対して、千空は、耳を小指でほじりながら、年季がちがうわ、と棒読みで返した。


「何が欲しい、千空。クロム探検隊長がゲットしてきてやるよ!例のケータイ作成に必要な素材、たりねぇもんがあんだろ?」


「あぁ、足りねぇ素材は……ねぇ。もう1式そろってるわー。ここまで俺らが散々がんばったからなぁ。」


クロムは、ねぇのかよ、とつっこむ。
他の科学王国民も、なんだ、新装備ゲットしたから浮かれて探検に行きたいだけじゃん、と呆れていた。


さすがにクロムのことが可哀想になったのか、千空はガラスの容器をさっさと運びながら、半笑いしながら口を開いた。


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