第9章 Z＝8 現代科学の灯火

「おやおや、恥ずかしがることは無いんだよ。だからさ、これからはなんでも言っておくれ。親代わりになれるかどうかわからないけど、出来ることは何でもするし、教えれることは教えるさ。なァに、私から見たらあんたはまだまだ娘だよ。」


ご隠居がわははと笑い飛ばすと、ルーチェの心の中にすっと暖かいものがひろがった。
それは、かつて、村人と和解した時にも感じた気持ちだった。


ルーチェは深く息を吸って、自分の心を落ち着かせる。
そして、いつもより優しい瞳で、ご隠居や子供たちをみつめた。


「ありがとう。魔導、は教えられないけど、ときたまにならお話、したいです。」


「わっはっは、そりゃ私の孫がヘンテコな力身につけたら寿命が縮んじゃうよ。あんたも仕事があるからね。けど、お昼ぐらいこっちで一緒に食べよう。」


ご隠居がそう言うと、子供たちもルーチェのお話聞きたい！やら、俺魔導ならいたかった、といった声に包まれた。


ルーチェから遠くにいるご隠居たちも優しくルーチェのことを見つめており、気づけば、村の人気者になっていた。


そして、その暖かい視線は少し離れたところからも向けられていた。


「あーぁ、ルーチェちゃんすっかり村の人気者、だねぇ。」


「あ？まぁいーんじゃねぇの？あいつ、コクヨウたちとしか話してんのしかみたことねぇし。っつうか、てめぇの寝技だろ、メンタリスト。」


「さぁ、なんのことでしょう。」


ゲンは、なんのことかさっぱり、と言わんばかりに少し冷めたラーメンをすすったのだった。


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