• テキストサイズ

幻想科学物語

第9章 Z=8 現代科学の灯火






やがて、季節はめぐり、葉っぱも紅く色づく季節となった。


イシガミ村は水力発電のおかげで人手もだいぶ楽になり、コクヨウと千空の話し合いの結果、村民たちを冬備えをするチームと、ケータイ作成チームと2つに分かれた。


ルーチェは、冬備えチームであったが、医者の役割も大きかったため、科学王国の女子寮を診療所兼ルーチェの寝室として改築された小屋で治療や漢方手入れ、その他衛生用品の作成をしていた。


冬備えチームや、ケータイ作成チーム、どちらも危険を伴い、とくに千空とクロム、銀狼はしょっちゅうルーチェのお世話になった。


銀狼はともかく、千空とクロムに見かねたルーチェは3人分の手袋作成に勤しむ。


「私は医者なんだけど…」


「医者がどうしたんだよ?ルーチェ」


独り言を呟いていると、声が聞こえた。
入口には猫じゃらしラーメンっぽいものをもってスイカが立っていた。


「スイカ、どうしたの?」


「そろそろお昼の時間、なんだよ。ルーチェも疲れてるようにみえたんだよ。だから、一緒にラーメンを食べようとおもってもってきたんだよ!」


猫じゃらしラーメン、と聞きかつての味を思い出したのか複雑な気分になる。が、子供好きなルーチェが、幼い少女のラーメンを一緒に食べたい、との申し出に嫌とも言えず。


彼女はそっとスイカの元に歩み寄り、ふわりと頭を撫でる。


「あ、ありがとう。そしたら、天気もいいし、お外で一緒にたべる?」



.
/ 363ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp