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幻想科学物語

第9章 Z=8 現代科学の灯火






「お、おう、サンキューな。そしたら呼んでくるわ。」


綺麗になった体に驚きながらも、二ヒ、と笑って千空たちの方へと走りだす。


2人はしばらく食べず寝ずに作業をしていたため、なにか食べようということになり、作業中狩りで取れたうさぎの肉を焼いて食べた。


少し時間が経っただろうか、日が高く登った時に、おーい、とこちらをクロムとその他複数人の足音が聞こえた。


千空たちは、クロムたちが作り上げた完成品をみて目をまん丸くする。
特に千空はそれが目の前にあることが信じられなかったようだ。


カセキとルーチェは千空に近づき、話しかける。


「せ、千空、なんとか、作り終えた。」


「おっほー、ワシとルーチェも凄いけど、もっと凄いのは科学の刃。この鉄の刃物なかったら無理ゲーじゃったわい。」


そういいながらカセキはすりすりと鉄のノコギリに頬を擦り寄せる。
千空は2人をまじまじとみつめていた。


「どうだ、千空、俺の発明はよぉ!磁石のときはずでーんとさせられたからそのリベンジだぜ。」


「もっと驚いていいんじゃぞよ。」


「水車だ。って、ルーチェてめぇ、つくってて気づかなかったのかよ!」


「流石に気づいてた。けど、クロムの瞳みて、言えなかった。」


千空とルーチェが交わした言葉にクロムとカセキはなんだ知ってたんかよ、とひっくり返る。


カセキに至っては、ずっとぐるぐるわたあめ機っていう名前まで決めてたのに、と泣き出した。


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