第9章 Z=8 現代科学の灯火
「なら作るっきゃねぇな。ちぃと手間だが凄腕職人カセキサマがいればいけんだろ。人類史の動力革命、ギアをつくる。」
そう言って、設計図を地面に描きはじめる。
それを見たカセキは、おっほー、と興奮してせっせと木を削り始める。
千空はコハクの盾をみつけると、興奮したように盾も使えそうじゃん!というと、コハクは容赦なく設計図の通りに盾に木の棒を打ち込んだ。
そんなこんなでギア作りを終え、最後にルーチェがおなじみ強化魔導をかけ終えると、もう一度わたあめを作る。
銀狼含め、その他のみんなも、これは凄い、と感動したようにわたあめ機をみつめた。
そんな中、クロムは1人でブツブツ呟いたあと、なにやら叫び出す。
どうしたものかと、みんなの方をみたあと、カセキとルーチェにちょいちょい、と声をかけた。
そして、なにやらごにょごにょとクロムが呟くと、カセキは興奮したように筋肉を盛り上げさせ、ルーチェは千空の悪い癖が伝染ったな、と呆れたようにため息をついた。
「コクヨウ殿から冬備えの手伝いを頼まれてるし、あまりできることは…」
「コクヨウさん、ルーチェしばらく借りていいか?」
「あ、あぁ。ただ、もし食料とか取れたら定期的にこちらに届けて欲しいのだが。」
コクヨウの方にちらりと視線を向けると、まぁ仕方ない、と言わんばかりに許可をだす。その言葉にルーチェがこくりとうなずいたことを確認したクロムは早速行くぞー!といって2人をつれて森の中へと消えていった。
.