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幻想科学物語

第9章 Z=8 現代科学の灯火






これこそ、文化の違い、というのだろうか。
謎に懐かれたこと、そしてルーチェのフレンドリーさに苦笑いをする。


「ルーチェちゃんってアメリカ出身なの?」


「?スウェーデン出身。」


「す、すうぇーでん!?」


またとんでもないところからきたねぇ、とため息をつく。スウェーデンではこういうのが当たり前なのか、と受け入れて、ルーチェから繋がれた手を握り返して、渋々と歩き出したのだった。


村へ着くと、案の定、騒ぎになった。
外国の血が流れているとはいえ、村人の性格は日本人よりなのだろう。


ゲンとルーチェが手を繋いでやってきたことに千空以外の村人は目をまん丸にして2人をみつめた。


「君たちはいつからそんな仲良くなったのかね?」


「いやぁねぇ、妙に懐かれっちゃってさ。んー、なんていうの?友達認定されたらしい。」


「ゲンは、大事な人。」


ルーチェがそう言うと、再びえぇーーと叫ぶ村人たち。
千空と大人たちは、頭を抱えながらはぁ、とため息を着いていた。


「おい、ルーチェ、誤解生むようないい方やめろ。うるさくて朝食どころじゃねぇ。てめぇらもてめぇらだ。ルーチェがそう簡単にほれたはれたするわけねぇだろ。ったく。」


そう言うと、焼いた魚にガブリ、と噛み付く。
ほかの人たちはええ、でも、とかいいながら、すごすごと朝食を食べ進める。
やっと静かになったところで、ルーチェはこてんと首を傾げながら口を開いた。


「コハク、スイカ、クロム、ルリ、千空、みんな、大事な人。」


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