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幻想科学物語

第9章 Z=8 現代科学の灯火






朝日が昇るとともに、ルーチェは目を覚ました。
昨日はそのまま寝たので、特に着替えることも無く、川へ顔を洗いにいく。


川で軽く顔を洗ったあとは、女子寮に戻り、女神へのお祈りを捧げた。一度も声を聞いたことがないこと、姿を見たことがないことなどから、今までは祈りなど無意味、と考えていたが、昨夜の"夢"のお陰ですこしは信じてみよう、と思ったのだ。


「太陽の光女神さま、どうか、私たち残された親子をお導き下さい。」


片膝をついて、祈りを捧げる。数秒ほど祈ったあとは、立ち上がり、太陽をみつめていたが、背後から聞こえる足音にはっと振り返る。


「おっはー、ルーチェちゃん。メンタル的にどうー?」


「ゲン…」


そう、昨日戦闘のあと、長々と話をした相手、あさぎりゲンがきていた。
律儀なものだ、と思いながら、微笑んでゲンの方をむく。


「おはよう、ゲン。今日は元気、だよ。安心して。」


「ならいいけどねぇ。もう少ししたら、多分みんな起きて朝ごはんだと思うから、村の方にいこう。そんで、元気な姿を見せてあげなよ。あのあと、みーんな心配しててさあ。」


「わかった。」


そう頷くと、ゲンの手を取り、歩き出そうとする。
ゲンは再び、ちょ、あの、とといって慌てていた。


ルーチェは首をかしげで、どうしたのか?と尋ねる。


「ル、ルーチェちゃん、その、お手手繋ぐのは…」


「昨日、仲良くなりたい、っていってた。だから…」



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