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幻想科学物語

第8章 Z=7 科学と魔導の融合






一方その頃の司帝国-----------


司帝国から少し離れたところに、なにやら周りを警戒しながら歩く人影があった。


その影は、静かに歩いていたがやがて何かを感じ取ったのか、立ち止まる。


「あら、あの子が…わざわざ壊してくれたのね。でも、彼女に持たせたものは、浄化されたのかしら。少し力が弱まってるわ。」


そう呟きながら手を見つめる。そして、しばらくなにかを考えるように思案にふけっていた。


と、そこへもう1人、人が現れる。黄色服をきた、少年みたいな男だった。後ろには弓を携えている。


「シーラ、司が呼んでるよ。」


シーラ、そう呼ばれた女性は、紫に近いピンクの瞳を背後へとやる。
そして、耳にまとわりつく気色の悪い声で返した。


「あらぁ、また治療かしら?」


「いや、ちがう。とにかく、呼んできて欲しい、とだけ、言われた。
僕もシーラにどんな用事があるのかわからない。」


「そう。わかったわ、羽京くん。」


そう言うと、振り向いて羽京の隣をなんなく通って歩き出す。羽京はその瞬間に感じたなにかに囚われたかのように、その場で固まる。


シーラはしばらく歩いたところで、もう1人の気配が無いことに気づいた。


「どうしたの?帝王の使いで迎えに来たんでしょ?一緒に行きましょう?」


「あ、うん、そうだね。いこうか、シーラ。」


羽京は深呼吸をしてゆっくりとシーラの方に向かう。
そして、シーラに追いつくと、前の方をゆっくりと歩き出した。



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