第8章 Z=7 科学と魔導の融合
ルーチェはすこし不貞腐れたように、ブスっとした表情をうかべる。
だが、ゲンの言葉にどこか安心感を感じているのも事実なわけで、次第に笑顔とまではいかないが雰囲気を和らげた。
「自分のこと、伝えても意味無い。今は世界復興第1。」
「ルーチェちゃんらしいくていいんだけどねぇ。ほらまず自分のことを知ってもらうと相手からも信頼得やすくなるのよ。だから、ね?今日みたいにいろいろ教えてよ。ルーチェちゃんのことや、シーラちゃんのこと。」
「……いってて恥ずかしくないの?」
「ゴイスー恥ずかしいわ!告白みたいになってるし!でも、実際に俺はルーチェちゃんのことなーんにも知らないし、好きな食べ物とか、どう過ごしてきたのか、とか。そういったことを知りたいなあ。」
ゲンは言い慣れているのか、顔色はそのまま、ルーチェの頭を撫でながら愛の告白みたいに囁く。
はたから見たら勘違いしそうな場面でも多少経験を積んでいるルーチェには、ただ仲良くなりたい、というふうに聞こえたのだろう。
少し顔を上げて、なるべく努力をする、と返事した。
ゲンは今日のところは大丈夫か、とおもったのかルーチェから離れ、女子寮の出口のところで一声かける。
「まぁ今日のところは大丈夫そうだし、俺はもう行くよ。1人でゆっくり休んで。また明日の朝、様子見に来る。」
「分かった。おやすみ、ゲン。あと、ありがとう。」
その一言を聞いたゲンは密かに胸をドクンと打ちながら女子寮を後にした。
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