第8章 Z=7 科学と魔導の融合
いきなり姿を表したルーチェにみんなは意表を着いて驚く。
千空だけはわかってたようで、くくっと笑った。
「ルーチェてめぇそんな力あんなら、とっくに村に忍び込むぐらい出来たんじゃねぇか。」
「魔導で支配しても人心はえられない。」
「あぁ、そうだな。にしても、威力すげぇな。もうてめぇの力だけで何とかなりそうだわ。」
「何馬鹿なこと言ってるの。科学で世界復興させる、それがあなたの目標。」
ルーチェは以前千空が語っていた最終目標を口にする。
すると、笑いながら茶化していた千空も、真面目な表情になった。
「あぁ、ちげぇねぇ。司帝国に勝って、世界を救う。科学の力でな!」
その言葉に、珍しくルーチェは満足気に微笑んだ。
さらに珍しいことにルーチェの方からハイタッチを求め、千空はそれに応えた。
「っつーわけだ。とりあえず、金狼直してやれ。」
「わかった。」
ルーチェは橋に引き上げられた金狼に近づき、回復魔導を使う。
すると、金狼の傷がみるちるうちに回復した。
「ほう、これが魔導の力、か。先の御前試合のときも体感はしたが、すごいな。感謝するぞ、ルーチェ。」
「お礼はいらない。むしろありがとう。みんなの為に。」
そういって金狼を起こし、2人で村の方へといく。
2人が到着するなりみんなは、金狼が無事でよかった、と喜びあった。
そして、今夜はもう遅いので、という事で宴もそこそこにみなそれぞれの家へともどり眠りにつくのであった。
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