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幻想科学物語

第7章 Z=6 医者と魔導士と科学者と





こちらに向かって歩いてきた気配のもと、マグマは真っ直ぐルーチェを見つめる。


「マグマ、なんの用?」


「御前試合、あれは、妖術使ったんじゃねぇんかよ?じゃなきゃ納得いかねぇ。女のてめぇのどこにそんな力がある。」


「……」


「おうよ、ルーチェは体力ミジンコだけど、パワーと技術はコハクに負けねぇよ。」


そう後ろから声が聞こえたので振り返る。
そこには、声の主であるクロムと、スイカがその場にいた。


「よ、話し込んでたら遅くなっちまった。すまねぇな、ルーチェ。」


「ルーチェ、イシガミ村へようこそなんだよ。今日はいっぱい楽しんで欲しいんだよ。」


そう言ってみんなルーチェに挨拶を交わす。
ルーチェもまたそれに応じるように、挨拶を述べた。


そんな和気あいあいとしてる中、マグマは、くっと拳を握りこみ、つかつかとさらにルーチェに詰寄る。


「おう、ルーチェ、といったな。」


「なに。」


「妙な真似をしたら、ぶっ殺す。あと、この試合の仮は必ず返す。
わかったな。」


「返せるものなら。」


マグマはそのルーチェ返答をきいて少し不満げではあったがここは引くべきと判断し、そのまま自分のいたところまで戻って行った。
コクヨウはこほん、と咳払いをし、ルーチェ達はそちらに視線を移す。


「さ、クロムたちと積もる話もあるだろう。さ、宴の始まりだ!!」


そう高らかに宣言すると村人達はおーと歓声を上げて、酒を飲んだりご馳走をたべたり、と再び騒ぎ始めた。


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