第7章 Z=6 医者と魔導士と科学者と
コクヨウからの短い挨拶が終わったあと、ルーチェの元にも盃がわたされ、酒を並々と注がれた。
ルーチェは、日本の酒は初めてだったのか、スンスンと匂いを嗅いだあと、一気に飲み干す。
「よ、飲みっぷりいいねぇ。ささ、もう一杯。」
ルーチェが飲み干したことを確認すると、再び村人から注がれた。
それも飲み干しては再び注がれ、を繰り返しているとルーチェの顔はうっすらと赤く染まってきた。
さすがにこれ以上はやばいとおもったのか、ゲンはルーチェの手から盃を取り上げ、代わりに肉と魚をもった器をわたす。
「ルーチェちゃん、飲みすぎはよくないよ。それにほら、千空ちゃんも混じえたマジ話ができなくなるからさ。」
「ゲーン、久しぶりの酒。たっーぷり飲みたい。」
「はいはい、飲みたいのはわかるけど、そこまでね。せめて千空ちゃんとの話が終わってからにしよーね。」
「おう、きかせてもらおうじゃねぇか、メンタリスト。司帝国でなにがあったのか。」
ルーチェに竹筒の水をむりやり飲ませようと躍起になってたところに後ろから千空の声が聞こえ、2人とも振り返る。
ゲンはにんまりと笑いながら千空のほうに振り向いた。
「来るよ、司ちゃんたちが。」
「くくっ、いよいよ科学王国の力の見せ所じゃねぇか。唆るぜぇ、これは。」
ルーチェはゲンの発言に酔いが冷めたのか、赤みがすっと引いていくのを感じる。
(いよいよ、母様と、戦わないといけないのか。)
ルーチェは緊張により心臓がバクバクと動くのをかんじとり、無意識的にぎゅっとペンダントをにぎりしめた
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