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幻想科学物語

第1章 Z=1 魔導士R





「ほぉ、これはおありがてぇわ。偶然にもお医者サマが仲間になったんだ。アホほど知識を授けてもらおうじゃねぇか。」


よろしく頼むわ、お医者サマ、と付け加え、ゲスい声でいう。
ルーチェも医者としては年端もいかない少年少女たちだけでは危険すぎる、と判断し、わかったと返事をした。


「抗生物質、少しでも変な作り方したら、私ひとりで作る。それでいいなら。」


「あぁ、問題ねぇよ。監修よろしくな。」


そういって、一行は再び歩き始めた。


ルーチェは抗生物質のことも気にかかってはいたが、それ以前に聞かなければならいと思っていたことを口にした。


「そういえば茶髪、名前、なに?」


「お、おう。おれか?俺はクロムだ。おまえはるぅ…ちぇ、だったか?まぁヨロシクな。」


クロムも自己紹介をする。


どうやら、ルーチェ、という響きはこの時代の人達にとっては、発音しづらいのだろう。


「言いにくい、なら、ルゥでも、いい。」


「ル、ルゥ?なんか可愛いんだよ。」


「ふん、ルゥ、か。なんだか、ルリ姉と名前が似てるな。」


ルーチェは、あ、と小さく声を漏らす。
ルリとルゥはどちらもルから始まるから、コハクたちからすると混同するであろう


「ルリとごっちゃになるからなぁ。ルーチェって呼ぶわ。」


「ん。好きにして構わない。クロムとコハク、スイカは衣装が一緒。
千空は復活者?」


「あぁ、らしいぜ。ルーチェもそうなのか?」

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