第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
「クロム、起き上がれ!てめぇはルリと結婚したかった、ちがうかぁ!?」
「な、千空、きみはほっんとデリカシーがないのだな!」
「間違いないねぇ。まぁクロムちゃん分かりやすいし、薄々気づいてる人もいたんじゃないかな?」
千空の声援にコハクとゲンはいつものことながらされど引いた様子で声援をおくる千空を見つめる。
一方土俵の上ではどちらともピクリとも動かず、そのままシーンと静かなままであった。
このままではだめだ、と審判のジャスパーはこほんと咳払いをして結果を発表する。
「クロム及び、ヘマタイト両名とも戦闘不能と判断する。よって今回の御前試合の優秀者は千空とする!」
千空及び、その場にいた村人たちは固まる。
千空自身あわよくば村長になれればと思っていたが、まさか既婚者になるとはつゆも想定しておらず、戸惑うばかりであった。
が、千空は耳をほじりながら、めんどくせぇ、と言いつつ審判の元へとむかった。
「とりあえず、そのルリと結婚すりゃ酒がゲットできんだろ?ならするわ。」
その発言に驚きの声がどよめく。
そんな中村人をかきわけて、コクヨウが千空につめよる。
「そもそも、千空。貴様はどこからきたんだ!このヘマタイトとかいうやつも!素性の知れぬ者が村長など認めんぞ!。」
「おやおや、これはこれは先代長様じゃねぇですか。てめぇの認める認めんに1ミリもきょうみねぇよ。」
「な、なにぃ!?」
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