第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
ふと割れたスイカの仮面が目に入ったクロムは何かを思いついたようにスイカの仮面を手にとった。
「千空、俺らの武器は"科学"だろう!」
そう叫んで土俵にスイカの仮面を投げ込む。
間合いをとっていた千空の足元に転がり込んできたそれを見て、千空はニヤリとわらい、槍をシーソーみたくおく。
「まぁ、しゃぁねぇな。こうなったらやるしかねぇ。」
「あぁー!妖術つかってなにかしようとしてる!そうはさせないよー!」
そう言って一気に間合いをつめる銀狼。
後一歩というところで、千空は槍を足で踏むと、銀狼の股間に槍がクリーンヒットし、気絶した。
「う……うむ、勝者、千空!」
ジャスパーの勝利宣言に村民たちは先程よりも大きな歓声を上げた。
とりあえず、ゲスな銀狼の思惑は阻止できたのか王国民も安堵の息を着く。
そして、次はルーチェ対クロムの戦いとなった。
「おう、ヘマタイト。俺はお前にかないそうにない。勝ちを譲る。」
「そんな訳には行かない。勝負する。」
「千空ならともかく、さっきのマグマとの試合をみて俺が勝てるという保証はねぇ。手加減しても、審判は見抜くだろうね。それなら勝ちを譲った方がマシだ。」
「と、クロムは申してるが審判はどう判断する。」
ジャスパーとコクヨウは険しい顔をして、お互いに見合わせる。
クロムの提案を受け入れれば、決勝は千空かヘマタイト、どちらかということになる。
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