第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
マグマは打撃を受けて、武器から手を離し、その場に片膝を着く。
ルーチェはすかさず、マグマの剣を遠くに蹴っ飛ばし、首元に自身の大剣を携える。
「負け、認めるか?」
マグマは悔しそうにルーチェの方を見て、両手をあげた。
「あぁ、俺はもう戦えねぇ。これはまじだ。腰が痛くて動けねぇよ。」
ルーチェはそれでも大剣をずらさずマグマの方を見据える。
ジャスパーはしばらく様子を見守ったあと、右腕を上げ、たからかにルーチェの勝利を宣言した。
「勝者、ヘマタイト。」
その場に湧き上がる歓声を無視して、千空たちの方へと向かう。
そのときに、マグマからおい、と声をかけられた。
「なぁ1つわからねぇことがある。この花びら本当に妖術じゃねぇのかかよ?」
「…この花びらは、僕の思い出が宿っていた。それだけ。」
そう答えると不思議そうに首を傾げるマグマとジャスパーをちらっと見たあと千空たちのもとへといった。
千空は戻ってきたルーチェをみると、ふ、とわらう。
「やるじゃねぇかヘマタイト、てめぇ。百億万点やるよ。」
「だねぇ。途中はどうなるかと思ってたけど、なかなかの太刀筋だったよ♪」
「ヘマタイト、すまない。私が出れればよかったんだが。」
「スイカが無事だった。コハクも。だから大丈夫。」
ルーチェは皆からそれぞれ祝福の言葉やら謝罪を受ける。
少し顔を赤らめながらもお礼や、安心させるような言葉をかけた。
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