第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
「とりあえずさ、話はあと。いまは科学王国に勝ってもらわないと、コーラがかかってからさ。がんばってね、科学王国のナイトちゃん♪」
そう言って、ヒラヒラと手を振り、屋根からおり、千空たちのもとへとかけよった。
「ふ、妖術でなにかしらの力を得たってか。審判こんなのありか!?」
マグマはジャスパーの方を見て、叫ぶ。
ジャスパーは花びらを拾って隅々まで確認し、怪しいことがないか確認するが、特に怪しい点は見当たらなかったのか、マグマに向かって叫ぶ。
「花びらから怪しいものは感じとれない。よって試合続行とする。」
その宣言をきき、ルーチェは改めて大剣を構え直す。
マグマもっち、と舌打ちをして、相手に向き直った。
「ふん、残念だったな。妖術使いが来たというのに、なにもなしじゃ、いよいよ俺に降伏するしかねぇ。わかったらさっさと…「だまれ。」」
ルーチェは先程の花びらをなにかのメッセージと捉えたのか、それとも、ピンク色の花びらから母を思い出したのか、これまで以上に睨みを効かせた真剣な瞳を浮かべる。
「勝つためになんでもする、卑劣な貴様を、許しはしない。」
そう言い放ち、剣を斜めに構え直し、一気に駆けだす。
駆け出したルーチェをみて、マグマも剣を大きく前に突き出すように持ち、間合いをつめた。
ルーチェは斜めから剣を振りかざし、マグマの突きを受け止める。
そして、そのまま横から後ろに回り込み、マグマの腰を目掛けて素早く大剣をたたきこんだ。
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