第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
第2試合は、マントルの敗北指示でおわり、コハクが戻ってくる前に終了した。
そのお陰で千空は不戦勝、銀狼の試合も銀狼の根性勝ちで終わり、いよいよマグマとルーチェの試合となる。
「シード枠、マグマ対ヘマタイト。前へ。」
ジャスパーが宣言すると、2人は土俵へと向かう。
マグマはヘマタイトの体格や顔立ちをみて、唾を吐き捨てるかのように余裕の笑みを浮かべた。
「フハハハ、余所者は揃いも揃ってヒョロガリだな。俺様に降伏するっていうんなら、この村でこき使ってやるよ。」
「……卑劣な奴に、負けない。」
マグマの煽りもどこ吹く風といわんばかりに無表情で答える。
しかし、その瞳もいつも以上に燃えており、相手を捉える。
さすがにマグマもその闘志を感じとったのか、再びニヤリとわらう。
「シード戦、マグマ対ヘマタイト、試合、はじめ!」
ルーチェの頭目掛けて大振りで剣を振りかざす。
が、ルーチェはなにごともなく、大剣で受け止めたり、流したりを繰り返す。
ルーチェは防戦に徹する。
どちらも引かぬ戦い。マグマは、痺れを切らしたのか、間合いをとる。
「ふうん。少しは出来るやつかとおもってたが、どうやらお門違いってやつだな。」
「……攻撃だけが全てでは無い。相手を見定めるもまた戦いのうち。」
「何ワケわからねぇこと言ってやがる。まぁ貴様の命運もここまでだ。降伏するならその綺麗な顔を傷つけずにいてやる。どうする?」
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