第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
千空は異変を感じたのか、セキショウがはいってたツボを見てみる。
そのツボの中身は空になっており、ドン引く千空。
「うわぁ、銀狼、てめぇ、材料全部くっちまってんじゃねぇか。
空だぞ。どーすんだ、これ?」
「おう、セキショウだったか?それなら、川に生えてるぜ。」
「スイカがつんでくるんだよ。」
そういってスイカがまたスイカボールになり、みなの静止をきかぬままでていった。
外には敵の付き人がいるということも知らずに。
「スイカのやつ、大丈夫かー?」
「心配だが、我々は試合がある。迂闊にでることはできん。信じて待つしかなかろう。」
「スイカ、スバッシコイ。信じよう。」
それぞれスイカを信じることにして、試合開始時間が迫ってるということもあり、一行は御前試合の試合場へと赴いた。
そして、試合会場では太鼓が鳴り響く。
遂に、御前試合の開始の音が鳴り響き、試合開始の合図が下ろされる直前に、一人の男の叫び声が響く。
「あいー!大変ですよーー!川に薬草を詰みに行ったスイカちゃんが溺れてるんですよー!」
「「「はっ?」」」
男は必死たが、どこか含みのある困ったような表情を浮かべながらスイカの現況をつたえる。
それにたいして、千空、クロム、ルーチェの3人は冷めたような、そして呆れたような声で聞き返し、他のメンツはだまってうしろを振り返った。
そんな科学王国民の視線を気にせず、低身長の男は言葉を続けた。
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