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幻想科学物語

第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民






ラボに戻った王国民たちは、どうしたものか、と思考を巡らす。
千空は何かを思いついたのか、倉庫から薬草を取ってきてなにやら怪しげなドリンクを作成していた。


「お祈りと逆になっちゃったんだよ。どうしたらいいんだよ。」


「運なさすぎだろ、俺ら。」


皆が再度ずんと、落ち込む中、千空はできたぞー、といって全員分の瓶を取り出す。


「いやぁ、そうでもねぇぞ。シード枠としてルーチェがいる。首の皮ギリ繋がった、ってとこだ。ま、最悪のカードだったとしてもやれる事をやるだけだ。」


「ふん!そこは神に感謝、だな。ところで、その入れ物に入ってる液体、はなんだ?めっぽう怪しげな色をしているが。」


「あぁ?これか?謀略の御前試合に勝つためのドーピング剤だ。王国特製、科学のパワーアップドリンクだぁ。」


「「「「「「うわぁ……」」」」」」


千空がマッドサイエンティストスマイルを浮かべながら、言い放ち、今度は違った意味で空気が凍りつく。


が、もう慣れたのか、クロムがいちばん早く冷静さを取り戻し、瓶を持ちながらきく。


「なにか、やべぇ薬でもはいってんのか?」


「ククッ、残念ながらド健全だ。原材料はチャノキにはちみつ、セキショウ、だ。カフェインで覚醒、セキショウでクールに、蜂蜜で血糖値ぶち上げ、このストーンワールドではまさにドーピングだぁ♪」


「ドーピング…」


ルーチェはドーピングときいて、こちらも何か悪いことを思いついたかのように不敵な笑みを浮かべる。


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