第6章 Z=5 魔導騎士と科学王国民
確かに、ルーチェの見た目はコハク程胸は豊満ではないが、ウェストはそれなりに引き締まっており、ヒップも女性らしい丸さを帯びている。
身長の低さもあいまって、男性というよりは女性にしか見えない容姿なのでコハクの問いかけに疑問出で返す。
「きゅ、急にど、とどとどしたの?」
「いや、私は村人だし、村長の娘だから、参加申し込みできたんだが、ルーチェはほら、その、余所者だし、どうやって申し込んできてもらったのかと…」
「…偽名つかった。名前は、ヘマタイト。」
「へ、へまたい、、と?」
「天然石の名前。母様や、先生が願掛けに良く身につけてた。」
コハクは神妙な名前に不思議そうに首を傾げる。
まだ聞きたいことはあったが、コハクと呼ばれた方を向くと、金狼がなにやら必死な表情でこちらをみていた。
「お前は、どうなんだ!?八百長など、試合を汚してもいいのか!?」
コハクは一瞬険しい目付きになるが、すぐにふにゃけた表情に切りかえ、千空たちの方に向かって歩き出す。
「いやぁ、まぁ、ルリ姉が助かる確率が僅かでも上がるのなら。八百長は賛成だ。」
「な……ならば、ルーチェ、貴様はどうなんだ。」
「ルリの容態、一刻を争う。なら、手っ取り早い方がいい。」
そういいながら、同じく千空たちの方にあるいていく。
これで4対1。クロムは黙ったまま、隅にたっている。
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