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幻想科学物語

第5章 Z=4 ガスマスク+シールド>H2SO4






硫酸の偵察部隊が戻ってきたのはルーチェの正体を2人に明かして暫く穏やかにみなで談笑していたときだった。


ルーチェは無事に戻ってきたことに安堵しつつ、自分が渡した"お守り"も割れてないことを確認し、安堵した。


がひとつ問題だったのは、銀狼が顔を真っ青にして帰ってきたことと、槍の先が真っ黒になっていることだった。


ルーチェが念の為、と簡単なバイタルチェックを行った。
全員問題はなかったが、銀狼への問診を行った結果、一時的なショック状態ということで、今日は休ませようとなり、金狼と銀狼は村へともどっていった。


その後は硫酸採集に行くためにガスマスクを作りに励む一行。


ガスマスクもあとは完成まであと少し、というところで、一区切りついたところを見計らい、ルーチェは千空に話しかける。


「千空、採集は1人??」


「あぁ、そのつもりだ。クロムにもろもろも引き継いでから、俺一人で特攻する。その方が合理的だ。」


「やっぱり心配。私もついてく。」


「ふは、てめぇは俺の彼女か。医者なら少し科学わかんだろ。俺とお前、どっちも共倒れしたら話になんねぇっての。」


ごもっともな言い分に渋々と言った様子で、わかった、と短く返事をする。


「その代わり、細工はさせて。」


「お、おう。いいけどよぉ。どういう細工だ?」


「風魔導での循環。光魔導での浄化。その2つが出来れば、問題ない?」


「あぁ、問題ねぇよ。願ったり、だ。頼んだぜ、魔導士サマ。」


ポン、とルーチェの肩に手をおき、その場を後にする千空。
ルーチェは、その感触を重く受け止めてその場を後にした。


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