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幻想科学物語

第5章 Z=4 ガスマスク+シールド>H2SO4






「わ、わかった。スイカ、少し落ち着け。」


「そうじゃよ。ルーチェもなにやら恥ずかしそうにしちゃってるんじゃ。このままだと羞恥ぷれいでルーチェが死んでしまうぞい。」


(なんで物語のなかに羞恥プレイって言葉が入ってるのよ!)


スイカは2人の静止を聞き、やっと話すことをやめた。
そう少し、落ち着いたところで、金狼とカセキはルーチェの方をみた。


「スイカの言葉は本物じゃよ。子供が嘘つけるとも思えない。
ルーチェが洗脳するとも思えないし、先程千空たちに危険性から怒っていたのもきっと真実じゃろ。そなたは心優しい女子なんじゃな。」


「カセキ、スイカが洗脳されている可能性も…」


「主もさっきみたじゃろ。物静かな女子が先程はみなの身を案じ、危険な場所に行くことにひとり反対しておった。妖術は確かに不安要素ではあるが、ルーチェは悪用しないじゃろう。」


年寄りの勘じゃ、とおちゃめに笑うカセキ。
金狼も、カセキがそこまで言うのなら、と警戒を少し解く。


「ルーチェ、信用したわけじゃないが、信じてはいるぞ。」


先程まで悶絶していたが、金狼の言葉に顔をあげる。
その目は険しくもどこか暖かいものだった。カセキは相変わらず、微笑みながら、ルーチェを見る。


ルーチェも受け入れてくれたことに感謝し、呼吸を整えてから2人に改めて向き合う。


「力、悪用しない。みなの助けになることに使う。」


その言葉をきいて、2人とも、納得したように頷くのであった。



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