第5章 Z＝4 ガスマスク＋シールド>H2SO4

ルーチェは首を横に振り、否定をする。
スイカは事前に聞いていたこと、実際に使ってるところを見たていたこと、その2つで、ルーチェに対しては嫌悪感は感じてないようだ。


が、2人は信じられない物を見るようにルーチェをジロジロと見る。


「金狼、カセキじいちゃん、安心してほしいんだよ。ルーチェは悪いことにその力を使わないんだよ。むしろ、みんなのお役に立つためにしか使ってないんだよ。スイカと同じなんだよ！」


スイカは2人にむけて無邪気に笑いながら、言う。
スイカが、そう言うなら、信じたいという気持ちがどこかにあったのか、2人がルーチェを見る視線は少し柔らかくなる。


「だが、スイカ。妖術は、何をもたらすかわからない。千空たちの方は理論があるが、妖術というのは説明不可な力だ。そう簡単に信用しろ、と言われても。」


「そうじゃよ、スイカ。いくら、善人でも、その力を悪用せんとする人も出てくるじゃろ。簡単に信じるのは流石に…」


「でもねでもね！スイカのぼやぼや病を調べてくれたのはルーチェなんだよ！しかも、黒い砂探しも手伝ってくれたんだよ！磁石作るときも櫓組んでくれたんだよ！」


他にもね、とルーチェのこれまでの働きを披露するスイカ。
その事に少し恥ずかしさを覚えたのか、耳を赤らめて俯く。
ルーチェからしたら、全部放っておけなかったから協力した、それだけだ。


スイカはルーチェが赤くなってることなぞ、お構い無しにルーチェのお役立ち話を披露していったのであった。



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