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幻想科学物語

第5章 Z=4 ガスマスク+シールド>H2SO4






みんなを見送った後、ルーチェとスイカ、金狼、カセキがその場に残り千空たちが向かった方向を見つめる。
金狼はなにか思うことがあったのか、そっとルーチェに話しかける。


「ルーチェ、貴様はあんなに怒っていたのに行かなくていいのか?」


「心配、けど、お守り渡した、から。」


そういいながらも、その瞳には不安しか宿っておらず、今も金狼のほうではなく、みんなが向かった先をずっと見ている。


「ルーチェがお守りを渡したんだったら大丈夫なんだよ。」


「みんなを信じて待つことも大事じゃよ。」


ルーチェを安心させようとそれぞれ言葉をかける。
スイカはルーチェの手をつなぎ、マスクの下で笑顔を浮かべると、ルーチェも気づいたのか、ふと優しく微笑み返した。


「無事に帰ってきますように。」


そう呟いて、みんなと共に科学王国の拠点へと戻っていく。
その後、他愛もない話に花を咲かせていたが、カセキがそういえば、とルーチェの方を見る。


「主の名前を聞いてなかったのう。なんというのじゃ?」


「ルーチェ。あなたは、カセキ翁、といったか?」


「ほっほっほ。カセキ、でよい。」


「宜しく、カセキ殿。」


ルーチェ敬意を込めて、カセキ殿、と呼ぶと、少し嬉しそうに微笑むカセキであった。
そんな2人を見つめてた金狼とスイカだが、スイカが疑問に思ったのか、質問をする。


「ルーチェ、おきな、ってどういう意味なんだよ?」


「私の育った村で、年上の方、敬う言い方。」


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