第5章 Z=4 ガスマスク+シールド>H2SO4
ルーチェと千空の無言の喧嘩が終わり、皆それぞれ銀の槍を作りだったり、バトルの訓練だったり、とそれぞれやるべきことに集中する。
途中銀郎が抜け出し、作業が中断することもあったが、あれよあれよ、という間に銀の槍ができあがった。
「けどよぉ、なんで銀の槍だけ作ってやるんだ?」
「あ、あぁ、硫酸ゲットに必要なもんでな。」
できたぞー、と銀郎に槍を渡す。
銀郎はないて喜んでいるが、千空はそんな様子にお構いなく、せっせと準備する。
「千空、本当に行くのね。」
「あぁ。っつても今回は下見になんだろ。実際に汲んでくるわけじゃねーよ。銀の槍も作ったしな。」
そういって銀の槍を振り回している銀郎のほうを見る。
ルーチェは仕方ない、という風な溜息をつき、すぐ戻る、と声をかけテントに戻る。
しばらくごそごそとしていたが、数分もすればテントから何かをもって出てきた。
「本当は一緒にいきたい。けど、金狼と特訓したいから…」
そういって千空になにやら小さめの石がついたブレスレットみたいなものを差し出す。
千空は怪しげに思いながらルーチェから受け取り、じっくり見つめる。
「あ゛あ゛?ただの水晶、じゃねぇか。」
「"お守り"。割れば使える。効果は”盾”。」
「ふぅん。ま、何が起こるかわかんねぇ。おありがたくもらっとくわ。」
そういいながらも丁寧に腕につける。
その後、銀郎とコハク、クロムに声をかけ、出発するのであった。
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