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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第2章 防衛隊選別試験


「ほしな、ふくたいちょ…。」


「っ!なんや!目ぇ覚め……。」


呼ばれた気がしたから、いくつもの管に繋がれた彼女の顔を覗き込む。
目は覚めてなかった。


四ノ宮キコルは日比野カフカ、市川レノの2人が手を貸したことで避難できたが、三浦美影はあまりにも酷い状態だったので、動かしてもいいのかわからずそのままにしたようだ。正しい判断だ。

亜白隊長と僕が駆けつけた頃にはすでに意識はなく、肺を損傷していた。
医療班が全力を持って治療し、なんとか一命は取り留めた。


それにしても、何故僕を呼んだんや?


「保科、三浦はどうだ。」


「隊長!医療班が言うにはもうじき目を覚ますようです。」


亜白隊長が病室に入ってきて、三浦を見ながら問うた。
僕の言葉を聞いて、そうかと言って病室を去っていく。


話を聞く為にここにいるが、三浦は僕がここにいるのは知らんはずなのに、先程から何度か僕の名前を呼んでいる。


「ふくたいちょ…。」


また寝言かと思い、あまり大きな反応はせずに顔をチラリと見る。
目が開いていた。


「三浦!やっと起きたか!」


話を聞く為にここにいるが、話せる状態なんか?


「ふくたいちょお……。」


「っ!?どないした?痛むか?」


掠れた声で僕を呼ぶ三浦。
顔を覗き込むと泣いていた。

ただただ、副隊長と何度も僕を呼ぶだけで他は何も言わず、涙を流している。

どうしたらいいかわからず、とりあえず頭を撫でてみた。
そしたら、もっと泣いた。
息が荒くなり上手く呼吸が出来ていないようだ。
医療班の者が落ち着くよう宥めるが、三浦はずっと泣いている。

僕が関係あるんか?どうしたら泣き止む?
このままだと呼吸が出来ないので危ない。

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