第2章 防衛隊選別試験
「三浦、落ち着け。もう大丈夫や、怪獣はおらん。」
「ふっ、くたい、ちょ…はっ、うっ…。」
どないしたらええんや。全然泣き止まん。
「僕はここにおるよ。なんか僕にして欲しいことでもあるん?」
僕らの関係性では有り得ない程に優しく聞いてみた。
僕は彼氏ちゃうねんぞ。
フラフラと腕を上げたので、その手を握ってみた。
「もう大丈夫やで。ちゃんと僕がここにおるから、安心せえ。」
医療班の者が目を見開いて僕を見てくる。
ちゃうから、僕、彼氏ちゃうから!とりあえず泣き止ませなあかんやろ。
三浦の顔を見てみると、弱々しく微笑んで涙を流しながら、また眠りに落ちた。
眠ったから手を離そうと思い少し動かすと、微かに力を込めている気がしたから、そのまま握ったままにしといた。
また目が覚めて泣き出すとあかんし。
離れることも出来ないので、小此木ちゃんに資料を持ってきてもらい、それに目を通しながら、また目を覚ますのを待つことにした。
小此木ちゃんにすごい目で見られたが、動けんねんと言って宥めた。あとで説明せんとあかんなあ。隊長にセクハラだと報告されるかもしれへん。