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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第2章 防衛隊選別試験


その後は見つけた余獣を鉄パイプで斬って斬って斬りまくった。

どうやら本獣はキコルちゃんが討伐しに行ったらしい。
さすがに私じゃ本獣は無理だろうと思い、キコルちゃんの邪魔にならないよう、少し離れた瓦礫の上から見守った。

難なくキコルちゃんが本獣撃破。
最終審査が終わった……はずだった。


「っ!?キコルちゃん!?」


突然キコルちゃんが撃たれたように見えて、彼女が倒れた。

目を凝らしてみると、他に誰かいる?

急いでキコルちゃんの元に行き彼女の前に立ち、止血が終わるのを待つ。


「あんた…早く逃げなさい!!死ぬわよ!」


本獣の隣に立つ人物を見る。
人、じゃない!?怪獣だ。そして人語を話してる。
怪獣は私たちに向けて腕を上げた。

何かする気!?

気付いた時には右太腿と左の肩が銃に撃たれたようになっていた。
痛みに耐えきれず膝をつく。
キコルちゃんも何発か当たってるようだ。

どうする…どうすればここを乗り切れられる?
止血をしながら思考を巡らす。


緊急避難のアナウンスが入った。


倒したはずの怪獣が生き返っている。
目の前の本獣だけじゃなく余獣もらしい。


ここに残って本獣を足止めしなきゃ、みんなが避難出来ない。
キコルちゃんも同じことを思っているようで、銃を構えて立ち上がった。


「私が足止めするから早く逃げなさい!!」


本獣と交戦しながら私に指示する。

今ここでキコルちゃんを置いて逃げたら……。
あの時もそうだった。
私だけ逃げて…先輩と市川くんは戦ってて………私は防衛隊員になるんだ!

キコルちゃんが銃を落とした瞬間私は、鉄パイプを握り締め本獣目掛けて走った。
思いっきり振りかざしたが、傷一つつかない。

影が落ちると耐え難い痛みが背中と胸を襲った。
地面に叩き潰されたようだ。
スーツのシールドが間に合わなかった。
苦しい、息が出来ない。肺が…。


動くことも出来ずにただ願うことしか出来なかった。
助けがきて、キコルちゃんが無事でありますように、と…。
ははは、駐車場で会った時、苦手だと思ったのになあ。

そこで私の意識は途切れた。

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