第5章 嫉妬
まだそこにいるんだろうか…。
外で待ってるとも何も言っていなかったが…。
「副隊長?います?」
返事が聞こえたので入ってきてもらった。
包帯はすでに巻き終わり、病衣の紐を結ぶ。
シャンプーするのを手伝って欲しいと言ったら、ええよと即答されてしまった。
「僕が断ったら君、カフカとかに頼もう思うてたやろ?そんなん、僕が許す思うてるん?」
どうやらバレていたようだ。
仲の良い男の人といえば、先輩か市川くんくらいだ。
まあ同期ともそれなりに仲良くさせてもらってるが。
市川くんも怪我をしているし、消去法で先輩になる。
裸を見られるわけでもないからいいかなと思っていた。
ただ、私の身体を支えてもらうのに密着するだけだ。
「副隊長、時間大丈夫なんですか?忙しいんじゃ…。」
「亜白隊長に言われてん。出来るだけ三浦のサポートをするようにって。だから多少、仕事遅れてもええて。」
こんな平隊員の為に?と思ったが、亜白隊長は意外と茶目っ気があり、私の気持ちも知っているから、たぶん…応援してくれている、と思う。
あーあ、亜白隊長にヤキモチ妬いてる私が嫌な奴じゃん。
副隊長が亜白隊長を綺麗だと言った時、すごく嫌だった…。
亜白隊長が綺麗なのは本当のことなんだけど…。