第5章 嫉妬
いつの間にか寝てしまっていたようで、スマホのディスプレイを確認すると、05:23と表示されていた。
ちょっと早いか?いや、市川くんなら…市川くんよりも古橋くんの方が危ないんよな。
とりあえず、スマホで市川くんに連絡を入れてみた。
すぐに連絡が返ってきたので起きているようだ。
あとでそちらに行けるだろうから、全力で古橋くんを止めてくれるようお願いしといた。
先生の回診が終わり、歩けるようなのでシャンプーくらいならしても大丈夫だと言われたが、補助が必要そうだ。
女性看護師をつけてくれるそうだが、女性だけだと厳しいかもしれないので、誰か心を許せる男性はいないかと言われた。
普通の病院だと問答無用で男性看護師などがつきそうだが…。
正直、そんなことを頼めそうな人はいない…。
「入るでー。」
その場にいた全員が固まってしまった。
回診が終わったと言っても、まだ包帯が巻かれていないのだ。
つまり、上裸ということ…。
「すまん、タイミング間違うたか?」
飄々とそう言うと、私の胸の傷をまじまじと見つめ、ほぼ塞がってるやんと笑った。
下着は見られたことはあるが、直接見られたことはないので、状況を理解してきた頭が羞恥を知らせる。
布団を手繰り寄せ胸を隠すように抱きしめた。
「ははっ、なんや恥ずかしいんか?僕のもっと恥ずかしいとこ見たやんかぁ。」
さらっと爆弾発言をして笑う彼。
副隊長!と叫ぶと謝りながら部屋を出ていった。
絶対揶揄ってた!そんな顔してた!
看護師さんが包帯を綺麗に巻きながら、副隊長にシャンプーを手伝ってもらったらどうかと言ってきた。
さすがに副隊長にさせられることではない。
だからと言って、彼以外の男の人に触れられるのは嫌だが。