第5章 嫉妬
いや、まず私を離してください…。
市川くんと古橋くんも驚きすぎて全然動けないらしい。
ずっと目と口が開いたままだ。
すると、宗四郎さんは私の体勢を整えながら戻すと、立ち上がって2人の方へ向かう。
「見せもんちゃうねんで。早う病室戻って休みぃ!」
2人はその言葉にハッとし、了と言いながら敬礼をしていなくなった。
それを見送った宗四郎さんは、今度はちゃんと扉を閉めた。
どこから見られてたんだろう…。
市川くんならまだしも、古橋くんにまで見られるとは……明日が怖い。
私の前に戻ってきた彼は、もう大丈夫だから存分に甘えろと言った。
さすがにもう、無理かな…。
と思ったが、その後も存分に甘えさせてもらい、0時を過ぎてしまったので宗四郎さんは残っていた仕事を終わらせて休む為、名残惜しそうに帰っていった。
さて、すっかり2人の口止めを忘れていたが、どうしたものか…。
今はもう寝ているだろうから、早めに起きよう。